登場人物
真田秀長(主人公)/元請会社の社長/竹中静馬(副社長)/松平正道(行政書士)/豊臣不動産
8.経審でBランクを取るには
秀長は第一期の売上1億円弱で経審の点数がどの程度になるか松平先生に検討して貰った。
秀長の会社の第一期は「とび・土工工事」が中心で他の仕事も含まれているが、経審計算上は
完工高は全て一業種という割り切りで計算して貰った。松平先生によれば真志建設の第一期の
P点(総合点)は631点であった。「600点台」はあまり良くないレベルで「700点台」は普通で
「800点台」は「良い」で「900点台」は優秀である。よって700点台の後半から800点台を
目指さないといけない。下記は日本全国の土木一式工事の点数分布である。
<グラフは左右に動きます>
松平先生によればP点はいわゆる通信簿なので高ければ高いほど良いのだが、自治体には このP点を客観点数として自治体独自の主観点数を加え判断するので自治体毎に丁寧に見てゆく 必要があると言う。特に東京都の場合はややこしい反面、地方はP点しか考慮しないとかの 自治体も多い。地元に建設会社が多いと出来るだけ地元を有利にしたいので主観点数の評価が 高くなる傾向があると言う(資格審査基準は公表されている)。
秀長の地元の町の公共工事の建設業者の格付けは下記の通りとなっている。経審のP点
しか考慮されない。
土木工事
AA:950点以上 A:780- B:680- C:620-
建築工事
AA:950点以上 A:780- B:680- C:620-
舗装工事
AA:なし A:780以上 B:680- C:620-
ともかくこの点数では秀長の会社はこの町の入札ではCランクになり入札に極めて不利である。 何とか680点以上を取って'Bランクにならないと受注は覚束ない。秀長は松平先生から この町の老舗である建設会社のP点を示された。P=789点(土木一式)であり、Aランクである。 そしてこの老舗会社は町から公共土木工事をしっかり受注しているので価格競争力もある のである。
この老舗会社は数業種やっているので秀長の会社(とび土工)と一業種の完工高は変らないが、 P点は158点差がついている。秀長はこの内訳を見て驚いた(他社の経審P点はCICCという サイトで見る事が出来る)。秀長の会社と社会性(社会保険、営業年数、建機保有数等)で 125点差がついているのだ。あとは技術員点数差が30点あるが、秀長の会社は技術員数そのもの が手薄なので仕方が無い。社会性の差125点の内、営業年数によるP点差が79点あった。全体 の差は158点なので半分の79点が営業年数の差によるのである。老舗会社は35年以上の社歴が有り 最高点を取っており、秀長の会社はゼロである。新興会社は老舗会社にここで大きく差をつけら れていた!
秀長は松平先生に売上が5億円になったらという試算をしてもらったがP点は107点上がって738点 になるが、それでも老舗会社の789点には及ばない!5億円はとてつもなく大きな数字である。 現実にはこんなに大きな売上高は望べくもないが、それを達成してもP点が老舗会社に及ばない ことに秀長はショックを受けていた。