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登場人物
真田秀長(主人公)/元請会社の社長/竹中静馬(副社長)/松平正道(行政書士)/豊臣不動産

物語4の全景画像

4.会社設立
もう1ヶ月が過ぎていた。建設業許可を取るのに申請から1ヶ月半、申請までの準備に半月、 その前に会社設立に1ヶ月かかるとすると元請社長の4ヶ月迄もう一刻の猶予もない。秀長は県、 市の法人住民税を含め税務関係は今の会社の顧問税理士にお願いすることにしていたので問題は 無かったが、会社設立と建設業許可の行政書士はどこが良いかさっぱり判らなかったのでこれも 顧問税理士に相談したが、「会社設立は一度きりだが建設業許認可関係は土木事務所への年度 終了届やら、将来公共工事も狙うとしたら、経営事項審査(「経審」)の申請と点数アップ、 県内の自治体への入札参加資格申請手続(2年に一度)、産廃収集運搬許認可もあるのでやはり 地元の行政書士で必要な時に会って話が出来る人が良い」と大学の先輩で大手メーカーを定年 退職後行政書士試験を突破した松平正道なる人物を紹介してくれた。

秀長はまず会社を設立した。資本金は500万円で手続は全て松平先生に一任した。先生の 言うとおり定款を作ったが建設業の種類として29業種のうち土木一級、建築一級で取れる業種は 極力入れ込んだ。公共工事で対応しそうな業種も事業目的に入れ込んだ。定款を後で変更するのは 費用の面からも避けなければならない。産廃収集運搬業もいずれやることになるので加えておいた。 産廃も自分のダンプ等を使って収集運搬しないと外部に資金流失するからである。

ちょっと迷ったのは株式会社にするか合同会社にするかであった。合同会社は例えばアップル ジャパンは合同会社である。アップルジャパンは株主がアップル社しかない100%子会社である 為、株式会社のさまざまな規定は不要で株式会社である必要が無いので合同会社である。会社 設立費用の面からは登記にかかる税金が株式会社は15万円で合同会社は6万円なので9万円差 がある。その他の費用も入れて株式会社は24万円、合同会社は10万円である。合同会社の方が 安かったが信用金庫とも相談して株式会社を選択した。自分の子供への相続等で株式の方が考え やすかったからである。会社名は「真志建設株式会社」とした。

結局登記完了まで20日ほどかかった。松平先生への報酬も合わせて約40万円であった。 定款作成代行、代表印等の準備はネットで安いサービスを先生が探してきてくれてそれらを採用 している。登記後銀行の口座開設、年金事務所(健康保険、厚生年金)、労働基準監督署、 ハローワークへは会社の謄本を片手に秀長自ら手続した。税務署/県税事務所/町の税務課への 開業申請は顧問税理士がワンストップで手続してくれた。これでまた1ヶ月が過ぎた。あと 2ヶ月である。